社会福祉法人 仙台社会福祉協議会

市民後見人について

市民後見人とは

市民後見人は、地域住民が後見活動の主体となって地域に暮らす同じ市民の目線から後見活動を行い、これからの新たな成年後見制度の担い手として期待されています。

参考:市民後見人について(厚生労働省資料)

仙台市における市民後見人養成・支援事業について

仙台市成年後見サポート推進協議会で検討した方向性を受け、事業を推進しています。
事業の実施にあたっては、仙台市と仙台市社協(仙台市成年後見総合センター)が協働しながら取り組んでいます。

事業の経過

平成17年4月仙台市成年後見サポート連絡協議会の発足
平成18年4月仙台市成年後見サポート推進協議会へ名称を改める
平成19年6月仙台市成年後見総合センターの設置
平成21年3月市民後見人に関する調査研究報告書のとりまとめ
平成21年8月第1期市民後見人養成研修
平成23年4月市民後見人第1号 誕生 ※現在の受任状況はこちら
平成26年6月市民後見人あり方検討報告書」のとりまとめ
平成27年8月第2期市民後見人養成研修
令和2年4月仙台市における成年後見制度利用促進検討報告書(市民後見人あり方検討報告含む) のとりまとめ
令和3年4月権利擁護推進検討部会報告書 (市民後見人のあり方検討報告含む) のとりまとめ
令和3年8月第3期市民後見人養成研修

事業の詳しい仕組み

養成について

養成の過程において、面接選考や各講座で、仙台市成年後見サポート推進協議会に参加する各団体が参画・協力している仕組みを取っています。

受任調整について

市民後見人の受任までの流れの中で受任調整の仕組みを重視し、各専門職による委員会を設置しています。この委員会では、市民後見人の受任の可否や、推薦する候補者を選定しています。

支援及び監督体制について

市民後見人の活動上の問題については、仙台市成年後見総合センターが中心となって支援を行っています。
また、仙台市社協が後見監督人となり、市民後見人の後見活動の適切さを担保しています。

現在の受任状況(令和6年3月末現在)

これまでの仙台市における市民後見人の受任状況については、現在の受任状況をご覧ください。

市民後見人の活動事例

笑顔が宝物(市民後見人 Y・Y)

「プロレスが好きだ!後楽園ホールに見に行ったことがある!」言葉にならない声で、たどたどしく一生懸命、私に話してくれました(ご本人は言葉が不自由で殆ど発言はしなく、こちらからの問いかけにベッドの中でうなずく形での会話です)。

本当に嬉しそうで、笑顔で顔はくしゃくしゃでした。後見人に選任され、施設で2回目の面会の時、好きな事をお聞きしようと歌手やスポーツ選手の話をした時の事です。プロレスを会場で直かに見た事がとても自慢そうでした。この笑顔は何十年かぶりに好きなプロレスの話が出来たからだと思えました。

またある時、故郷の広報誌をお見せした時、(故郷は三陸の小さな漁村です)古い潜水具の写真を見て「胸の所にある部品は錘(おもり)で、ここの海は流れが強いので流されないために使うのだ」と故郷を思い出されたようで、楽しそうに教えてくれました。
この「笑顔、楽しそうな顔」を見られることが私にとって後見人としての活動の最大の喜びとなり、やりがいになっています。

私が市民後見人講座に応募した時、市民後見人は大切な、そして大変な仕事だと何となく感じていました。見ず知らずの人の生涯に寄り添うには一人ではとても背負いきれないと思えたからです。それでも私が市民後見人をやろうとしたのは、バックアップの体制がしっかりしており、また、助け合える仲間が出来ると思えたからです。

後見人として活動する時、様々な場面にぶつかります。迷う事が多くあります。この判断で良いのか?間違っていないか?一番つらい時です。でもこの時、「家裁をはじめ成年後見総合センターの人達や後見監督人、そして市民後見人の仲間達が私を見守っていてくれる。皆がご本人を見守ってくれている」こう思える事が「力」になっています。私自身、活動を続けていく長い間、常に心身ともに健康であるとは限りません。弱くなった時にこの「力」が必ず必要だと思っています。

後見人として活動して2年が過ぎました。「笑顔を見せてもらえる」ことが最大の喜びであり、目的でもあることは全く変わりません。常に「ご本人に喜んでもらえるか?」を第一に、多くの人達に支えられながら、これからも活動をしていきたいと思っています。

市民後見人をこころざして(市民後見人 A・H)

成年後見制度が介護保険制度と車の両輪として導入された時、ボランティアグループでの勉強会に参加したのが成年後見制度を知るきっかけでした。

平成21年に仙台市で「社会貢献に関心のある市民に、地域に暮らす同じ市民の目線から、被後見人が住み慣れた地域で安心して住み続けられるように、権利を擁護・後見活動をする市民後見人を養成する」講座の開催があり、一期生として参加し、講座終了後、市民後見人候補者(社会資源のひとつ)として登録しました。
平成24年に受任の話があり、ともかく前に進まなくてはとの思いで受任しました。私の被後見人は身体障害と知的障害があり、高齢の母親との2人暮らしでしたが、母親が施設に入り本人の希望で在宅での一人暮らしとなりました。幸い、地域の民生委員やご近所に気にかけてくださる方がおり、ヘルパーさんの支援も受けて、穏やかに暮らしています。
その他にも受任後の1年間に、本人の希望で宝塚東京公演観劇を実現したり、お母様の逝去、それに伴う行為、不動産登記、自宅階段からの転落事故等々、普通の暮らしの中で様々な事が起きましたが、かかわりのある方々の協働で無事過ごせています。

後見人活動を通して、地域の支えあいや後見活動での難しさ(医療同意等)・福祉関連法律の推移・行政の政策などを学ばせていただき、仕事の奥深さを感じています。後見人としては、伴走者として本人の思いに寄り添い、生活の質が保てるように関係者(機関)と連携し支援できるよう心がけています。

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